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2010年3月18日 (木)

映画「プライドと偏見」を楽しむ(その8)

ついに相思相愛になったエリザベスとダーシー。でも、本人たちはそれを知りません。

エリザベスは偏見と誤解に基づいて、ダーシーをこっぴどく非難した自分の行為が恥ずかしく、あまつさえプロポーズも最悪の言葉で拒絶したしね~。今更、「気が変わりました。今ではあなたが好きです」なんて言えない。それに、彼は既に自分をあきらめたかもしれない。

ダーシーは、やっぱりあのプロポーズの時がトラウマになっちゃったような感じですね。接し方も、「もうこれ以上嫌われないようにしよう」レベルに留めている感じがする。彼は、釈明の手紙を渡してから、以後は決してエリザベスに愛を再告白したり、気持ちが変わってないか確認しようとしたりしません。(他人の横槍が入るまで・・・) 青信号になって進みたかった道が開けているのに、分からず、側道にそれて並走しようとしているかのようです。(エリザベスのことを忘れてもしまえないんだよね~)

ただ、ペンバリーで久しぶりにエリザベスと再会したダーシーは、自分に今出来る最大限のことをします。・・・せずにはいられない。ドキドキの初級英会話から、翌日には次の目的地にエリザベスたちが旅立ってしまうことを知った彼は、速攻でガーディナー夫妻に接触します。ペンバリー当主によるご招待! 将を射んとせば先ず馬を射よ。ガーディナー夫妻は聞いていた話と違って、ダーシーがすごく好印象だったので、即決です! 叔母さんなんて、「お話しになる時の口元なんて感じがいいわ~」とベタ誉めです。初対面の人とはうまく話せないダーシーが、愛のために随分変わったものだ・・・。

ダーシーにしてみれば、親友のビングリーとジェーンの縁が切れてしまったので、(って言うか、自分が切った)、今後エリザベスとは会えないかもしれない、これを最後の思い出にしよう・・・と思ったのかしら? それとも、やっぱり好転のチャンスをうかがっていたのかしら?

エリザベスも叔父夫婦と一緒の「公式訪問」ということで、ちょっと気持ちが楽。覗き見していたのを見つかったバツの悪さも、忘れてしまえます。

翌日、ペンバリーの一室でピアノを弾きながら客を待つジョージアナ、とダーシー。(曲は快活で可愛い「Georgiana」:ピアノ独奏バージョン) 美術品に囲まれた豪華な部屋に、1台の大きな美しいピアノが置かれ、白いドレスの少女が弾いている。ピアノの中ほど画面中央には背を向けて立つ長身の男性が少女を見ている。この映像が絵画のようで、とても美麗! ため息ものです。ポストカードにしてほしいよ。

ピアノという楽器は、この18世紀末はまだ発展途上段階です。モーツァルトの頃は60鍵ほどだったのが、段階的に鍵数が増え、音量も上がるなど、どんどん進化していきます。(このドラマは、モーツァルトが亡くなり、青年ベートーヴェンが活躍しつつあった時代) 画面では確認できませんが、ジョージアナが弾いているピアノは、現代のピアノのように88鍵もないはずです。それでも、ベネット家でメアリーが弾いている旧式のピアノに比べて、恐ろしく高価そう。財力があり、妹思いのダーシーが、最先端のピアノを買い与えているのがよく分かります。ちなみに、映画の中で、俳優さんたちがピアノのことを「pianoforte」と言っていますが、音の強弱がつけられなかったピアノの前身チェンバロに対し、この先進の楽器は音の強(forte)弱(piano)がつけられるからそう呼ばれてます。(現代のピアノも正式名称は「ピアノフォルテ」というそうな・・・)

エリザベスとガーディナー夫妻が入室すると、ジョージアナは「エリザベスさん!」と言って走り寄ってきます。白い子犬みたいに可愛い~。キャロラインとはえらい違いだ・・・。

3人は和やかに話を始めます。ジョージアナがいると、ダーシーは自然と笑顔が出るようで、何とエリザベスに笑いながら話してます!(映画では、恐らく初めて) エリザベスも無理なく笑って話している。そんな彼女を、またじっと見つめるダーシー。(ああ、この目が何とも言えない。「あなたが好き」と語ってます~) そして、ジョージアナは意味ありげに兄にちらっと一瞥。(この子は、お兄さんの気持ちを分かってますね~)

その時、後方にずっと控えていたガーディナー夫妻に、ダーシーが声をかけます。(そうだ、彼らを忘れてた・・・) 叔父さんは釣りに誘ってもらって嬉しそう。(元々、この湖が見たかったんだもんね)

ジョージアナはエリザベスを連弾に誘います。エリザベスが「ご命令とあれば」と答えると、「お兄様、お命じになって」と兄に甘える。ここでまたダーシーが微笑む。(こんなに笑える人だとは思わなかったよ~と私も微笑む)

雪解けムードです! ここはラストを除いて、最も幸福感に満ちた場面ですよね。ダーシーにしてみれば、本当は自分がエリザベスと連弾したいぐらいの気持ちだったでしょうが、自分から誘った手前、フィッシング詐欺になってはいけませんから、叔父さんと釣りに行った模様です。ともかく上首尾です。このまま大団円か?と思ったら、そうは問屋が卸さない。まだまだお話が展開して目が離せなくなります。

夜、楽しく宿に帰ってきたエリザベスに、姉ジェーンからの手紙が手渡されます。それは凶報・・・。ブライトンに遊びに行っていた妹リディアが、ウィッカムと駆け落ちしたという知らせ。同席していたダーシーも涙するエリザベスも、「ウィッカムの正体を明らかにしなかった自分のせいだ」と自らを責める。ここでも、もう二人は共鳴しています。

「あなたのお役に立ちたい。事は重大ですから、これで失礼します」と辞するダーシー。叔父さんも「私たちも今すぐ出発しよう。世間に知られる前に、リディアを見つけなければ・・・」と即行動です。そうです。これはベネット一家の命運がかかる大事なのです。

やがて、エリザベスとガーディナー夫妻を乗せた馬車が、ベネット家をめざして疾走していきます。(音楽は、またもや嵐を思わせる「Darcy's Letter」)

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